●筒井康隆論


2005.06.12.

ちとタイトルが大袈裟な気もするが……まあ、いいか。

ついさっき、わたしの漫画を読んで、
「筒井康隆のドタバタSFのようだ」という感想のコメントをいただいた。
いやぁ、うれしいなぁ。社交辞令だろうが、なんだろうが、こんなにうれしいことはない。 
あまりにうれしいので、途中まで書きかけていた全然別の内容のブログを、急きょ「お蔵入り」させて、「筒井康隆論」を書いてみようと思う。

さて、「筒井康隆」といえば、みなさんはどの作品を思い浮かべるのだろうか?
有名どころでは「時をかける少女」か? 
また、映像化されたモノとしては「七瀬シリーズ」とか、最近では「富豪刑事」なんてのもある。
しかし、わたしにとって「筒井康隆」の代表作といえば、それはもう、断然「人世に三人あれば」以外にはありえないと確信している。
(……す、すんません。マニアックすぎて、誰も分からないかも知れない)

とにかく、マニアックなぐらい好きだということなのだ。
処女短篇集「東海道戦争」から、断筆宣言する前の「パプリカ」まで、一部の作品を除いて、ほぼ全作品をわたしは読破している。
(ちなみに「時をかける少女」は読んでいない。また「パプリカ」も読んだけど今イチでした)

さて、筒井氏に関する世間の認知度としては、前述したような一連のSF作品の原作者といった感じかも知れない。
つまり映画やテレビでしか、氏の作品を知らないような人がほとんどなのではないか?
しかし、それはあまりにももったいないことだと思う。
なぜなら、氏の真骨頂は、その小説の「映像化不能」のところにあるからだ。

「ロートレック荘事件」や「虚人たち」「虚航船団」など、
絶対映画化なんか出来ないし、そこが氏の最大の魅力でもある。
例えば「虚航船団」の冒頭部分は、「まずコンパスが登場する。彼は気が狂っていた」で始まるワケだが、なんのこっちゃ、サッパリ分からないし、だからこそ面白いのである。

……とは言うものの、実はわたしは「断筆解除」以降、氏の作品を読んでいない。
「わたしのグランパ」とか「愛のひだりがわ」とか、
なんだか、タイトルからしてショボそう(失礼!)だからである。


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