●「信長の野望」病


2006.01.09.

いま現在、司馬遼太郎の「功名が辻」を読んでいる。
なんだか、思いっきり「はやりもん」に流されているような気もするが、まあ良いか。
最近、これと言った読みたい本もなく、とりあえず読み始めることにしたのだ。

実はわたしは結構「歴史マニア」なのだが、
なぜだか、今まで戦国時代を舞台にした小説だけは、ちゃんと読んだことがない。
一時期、山岡荘八の「徳川家康」(全26巻)に挑戦しようとしたことがあるのだが、あまりの「長ったらしさ」に中途で断念してしまった。

そのかわり(…と言うのも変だけど)、
「小説」ではなく「ゲーム」で、この戦国時代についてはあらまし勉強(?)した。
シミュレーション・ゲーム「信長の野望」である。
10年ほど前、このシリーズの「将星録」(Mac版)というのを買ってきて、
それこそ気が狂ったように一日中、遊び呆けていたことがあるのだ。

有名なゲームなので、説明する必要もないかも知れないが、
主人公は「信長」に限定されているワケではなく、信玄でも毛利元就でも、誰だってかまわない。
例えば、土佐中村の「バカ殿」一条兼定を主人公にして、全国を統一するという、ゲームと言うよりも、ただの「苦行」のようなことだって出来る。
とにかく、当時「失業中」でヒマだったわたしは、それこそ、何度も何度も、ありとあらゆる大名を主人公にして、プレイしまくったモノだ。

……で、「功名が辻」の話に戻るが、
読んでいて、非常に「困ったこと」がひとつある。
というのは、登場人物の顔を想像する際に、ついつい「信長の野望」に出てくる
「グラフィックの顔」を思い浮かべてしまうことだ。
特に問題なのが、「山内一豊」の顔である。
この「信長の野望」に出てくる彼の顔たるや、それはそれは「ショボくれた」モノで、「なるほど、こりゃあ奥さんの力なしじゃ出世できんわな」というような“負け組顔”なのだ。
もっとも、「信長の野望」の中では、彼が主人公になる確率は、「謀反」でも起こらない限り不可能だし、だから別に「ダメおやじ顔」でも良かったワケだが、
しかし、この「功名が辻」では、れっきとした主人公なのである。
だが、どうしても「あの顔」を思い浮かべてしまい、わたしはさっぱり感情移入できない。
う〜む、困ったモノだ。

ということで、この「功名が辻」、現在1巻目の途中で投げ出してしまっている。
まあ別に「司馬文学」に対して、イチャもんを付けるつもりなど、毛頭ありません。
悪いのは全部、「コーエー」なのだ(?)。


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