●追悼・赤塚不二夫


2005.10.16.

しまった、タイトル間違えた。どうぞ、タイトルは無視して下さい。

今日、本屋をブラブラしていると「赤塚不二夫特集」なるコーナーが出来ていた。
「ええ? つ、ついに……(なにが?)」と思ったが、そうではない。
よくよく看板を見たら、「赤塚不二夫漫画家生活50周年記念フェア」と書いてあった。
でも、マンガ本自体はあまり置いてなくて、自叙伝や評論集のたぐいばかりが所狭しと並んでいた。

そこでふと思ったのだが、今の時代、「赤塚漫画」ってどれぐらい読まれているのだろうか?
アニメの話ではない。まして「RIP SLYME」のアルバムジャケットの話でもない。
正真正銘の、雑誌に載っていた「赤塚漫画」のことだ。
最近ではほとんど誰も、ちゃんと読んだことがないのではなかろうか?

実はわたしは、「おそ松くん」「天才バカボン」等々、赤塚不二夫の漫画はほとんど読破している。
と言っても、わたし自身、赤塚不二夫の「全盛時代」からは少しズレている。
小学生のころ、周りのみんなが「ドラえもん」や「Dr.スランプ」とかを読んでいた時期に、なぜかわたしだけが、「バカボン」等のトチ狂ったようなエロまがいのナンセンス・ギャグを、一心不乱に読みふけっていたのである(われながら変な子ども時代だ 笑)。
普通の本屋とかには売っていないもんだから、市内の古本屋などを駆けずり回って買ったものだ。
つまり、もはやその時代(昭和50年代中頃)から、
赤塚不二夫は「過去の人」になりつつあったと言うことだ。

しかし、それはあまりにも「もったいない」ことだと思う。
「赤塚漫画」は今でも(いや、今だからこそ)、もっと再評価されるべきだと、わたしは思う。

例えば「天才バカボン」について言うなら、
アニメなどでは絶対表現できないような、究極の「実験作品」のオンパレードであった。
「バカボン」も「パパ」も「ママ」も「ハジメちゃん」も、誰ひとり出てこないで、
まったく関係のない人物が、なぜか主人公として登場し、そのまま話が展開して終わる…などというようなことは「日常茶飯事」だったし、
どうみても落書きとしか思えないような、「左手で書いた」作品もある。
さらには「実物大」と称して、バカボンとパパの顔だけが、見開きでデカデカと描いてあったり、
果てはフキダシの中に絵を描いて、絵を描くべき部分には「パパが全裸になって走っている」などと説明文が書いてあるような、とんでもない作品もある。
そのあまりの革命的な「実験的ギャグ」に、さっぱり笑えないくらいだった(?)。

その後、山上たつひこ、鴨川つばめ、小林よしのり、吉田戦車等といった、数多くのギャグ漫画家が登場してきたが、「赤塚漫画」を越えたモノを、わたしは今だかつて見たことがない。
彼は「ギャグ漫画」の創始者でもあり、また同時に破壊者でもあった。
こんなすごい漫画家はもう二度と出てこないであろう。
あぁ、赤塚不二夫よ、永遠なれ。……合掌。(い、いや、間違えた)

筆者註:
なんだか「お叱りの言葉」が来そうな、ムチャクチャな文章になってますが、もちろんこれは、わたしなりの赤塚不二夫先生への最大級のリスペクト表現であります。


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