●怖い話


2005.07.06.

今日は、わたしが子どもの頃に体験した「怖い話」を書こうと思う。
もっとも、そんなに怖くはないかも知れない。でもわたしにとっては忘れられない出来事なのだ。

わたしがまだ小学生の1、2年だった頃のことである。
クラスに転校生がひとりやって来ることになった。
仮にその子を「みどりちゃん」と呼ぶことにしよう。けっこう可愛い女の子だったと記憶している。
「みどりちゃん」は、たしか東京生まれの東京育ちで、その「都会的なセンス」に、たちまち田舎の「クソガキども」(わたしを含めて)の、あこがれの存在となった。
わたしにとっても、彼女は「初恋」だったかも知れない。

ある日(といっても彼女が転校してきて、まだ間もないころだったと思うが)、
わたしと友だちのA君の2人で、「みどりちゃんを、家まで尾行しよう」ということになった。
現在なら、それこそ「ストーカー行為」として、警察沙汰(?)にでもなりそうな話だが、まあ、ド田舎の男の子たちの純粋な「恋心」から生まれた行動ということで、どうか許して下さい(?)。

……で、放課後、彼女のあとを2人でテクテクとつけていったのだが、
「みどりちゃん」はそのまま、なぜか神社の神殿の中へと入っていってしまった。
「みどりちゃんは神主さんの子どもだったのか?」などと思いながら、あわててあとを追いかけたのだが、その神殿の中は真っ暗で、そこには誰もいなかったのである。

以上がわたしの不思議体験談である。
「な〜んだ、ぜんぜん怖くネェでやんの」と言わないでいただきたい。
実はわたしは、この思い出以外に「みどりちゃん」に関する記憶がなにもないのである。
例えば、「みどりちゃん」と一緒に遊んだとか、運動会で「みどりちゃん」と、ドキドキしながらフォークダンスを踊ったとか、そんな記憶がなにひとつない。

以前クラス会かなにかで、「みどりちゃん」を一緒に尾行したA君と、久しぶりに再会し、そのときの話をしてみたのだが、彼はまったく憶えていなかった。
いや、それどころか「みどりちゃん? そんな女の子いたっけ?」と言われてしまった。
実際、実家に帰って小学校の卒業アルバムとかを引っぱり出してきて、隅から隅まで探してみたのだが、「みどりちゃん」の姿なぞ、どこのクラスにもいなかったのである。

……わたしの「初恋」の人は、一体どこにいったのだろうか?


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2005.3.-2006.5.