●ぼっとん便所の話


2005.07.09.

前回に引き続き、今日も子どもの頃の思い出話をしようと思う。
といっても「怖い話」ではない。「どーでもいい話」である(笑)。

わたしが、幼稚園くらいの頃の話なのだが、
当時わたしたち一家は、大正末期ぐらいに建てられたという、けっこう古い家に住んでいた。
今でいえば京都などにある「町家」風の、いわゆる「ウナギの寝床」のような造りの家だった。
玄関から真っすぐに土間が伸びていて、そして突きあたりに、「ぼっとん便所」があったのだが、ここで問題にしたいのが、その便所の「くみとり方法」についてだ。

(前もって言っておきますが、以下、ちょいと「臭い話」になります)
今では下水道も完備されて、「ぼっとん便所」の家も少ないと思うが、
もし知っている人があったら教えて欲しい。普通、どうやって汲み取るモノなのか?

わたしの幼稚園のころの記憶でいえば、
我が家では、「ちわ〜、くみとり屋です」とか言いながら、
バキュームカーのホース片手に、おっさんが2、3人、なんと“玄関”から入ってくるのだ。
そして、ホースをズルズルと引きずりながら、土間を横断し、突きあたりの便所のドアを開けて、おもむろに、便器に直接、ホースを突っ込む。
「ゴボッ。ゴボボボ」と、なにやら得体の知れない音を立てながら、ふたたび「それ」は土間を横断し、バキュームカーの中へと吸い込まれていくのである。

それも、おっさんたちは決まって晩ごはんどきにやって来るのだ。
もしその日の献立が「カレー」だった日には、せっかくの一家団欒がもろくも崩壊すること必至だ。

わたしは、子どもの頃から、それを見続けていたため、それが「普通」だと思っていたのだが、この話を他人にすると、いつも笑われる。「ウソつくな」などと言われたりする。
しかし、彼らとて「ぼっとん便所」の家に住んだ経験はないらしい。
つまり、真相はいまだに「藪の中」ということだ。

この前書いた「みどりちゃん」にしてもそうなのだが、
わたしは、子どもの頃の記憶が今ひとつ曖昧で、どうにも自信が持てない。
我が家でおこなわれていた「くみとり方法」って、実際の出来事だったんだろうか?
誰か同じような経験のある人がいるなら、ぜひ名乗り出ていただきたい。


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