●桃太郎の謎


2005.06.27.

今日はちょっと、アカデミックな(?)話を書こうと思う。

実は、むかしから疑問に思っていたことがあるのだ。それを発表しようと思う。
それは、「桃太郎」の作者は誰か? と言うことだ。
「桃太郎は吉備地方(発祥地は諸説ある)に古くから伝わる伝承で、特定の作者などいないじゃろ」
と言われそうだが、果たしてそうなんだろうか?
例えば「桃太郎」の冒頭部分を思い出して欲しい。それは以下のような文章であるはずだ。

むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おばあさんが川で洗濯をしていると、
川上から大きな桃がどんぶらこどんぶらこと流れてきました。………

まあ、地方や年齢によって多少の違いはあるかも知れないが、
だいたい、このような文章が、誰でもスラスラと暗誦できるのではないか?
例えば「浦島太郎」や「金太郎」では、こうはいかない。しかし「桃太郎」に限って、みんながみんな、おなじような「冒頭部分」を頭の中にインプットしているのだ。
特に「桃の流れ方」が特異すぎる。
「ぷかぷか」でも「すいすい」でもなく、「どんぶらこどんぶらこ」と流れてくる。
これは特定の「作者」がいたとしか考えられない。

もしかすると、日本文学(?)史上、一番有名な「出だし」かも知れない。

「祇園精舎の鐘のこえ/諸行無常の響きあり」(by平家物語)
「トンネルを抜けると、そこは雪国だった」(by川端康成「雪国」)
「まずコンパスが登場する。彼は気が狂っていた」(by筒井康隆「虚航船団」)
(……い、いや、3番目はそれほど有名な「出だし」じゃないけど……)

とにかく、これらと匹敵するぐらい、「桃太郎」の冒頭部分は有名だと思う。
しかし、その作者を誰も知らないのである。

「作者」うんぬんと言うよりも、どうしてみんなスラスラと暗誦できるのか?
そちらの方が不思議かも知れない。
子どもの頃とかに、「桃太郎」を教科書で学んだ記憶などわたしにはない。絵本とかを読んだ記憶もない。でも、上のような文章をわたしはスラスラと書くことができた。なぜだ? 
どなたか、知ってる人がいれば、教えていただきたい。
実はわたしの長年の(どーでもいい?)疑問だったりするのだ。


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